万年筆に興味が出てきたけど、いざ買うとなると、なんとなく踏ん切りがつかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
様々な考え方があると思いますが、万年筆を使い続けて十数年、万年筆仲間を増やしたい私なりの考えをお伝えしたいと思います。
皆さまが抱えている悩み解決のヒントになれば嬉しいです。

万年筆に関するお悩み解決
初めて万年筆を購入する際のに生じるいくつかのお悩みごとを解決します。
よくあるお悩み1:どの万年筆を選べばいいか分からない
万年筆に興味が出てきたばかりの方の中には「最初にどんな万年筆を買えばいいのかわからない」という方は多いことでしょう。
初めは買いやすい手頃な価格帯のモデルをおすすめしていることがありますが、私はご自身の予算が許す範囲で、できる限り本格的なモデルを購入することをおすすめします。
その理由は次のとおり。
1.万年筆で書く楽しみを味わえるから
本格的な万年筆はペン先やバランスが優れていて、初めての方でも「万年筆ならではの書き心地」を存分に楽しめるからです。
理由はこれに尽きますが、最初から良いものを使うことで万年筆の真の魅力をしっかりと感じられるはずです。
2.長期間使用できるコストパフォーマンスがある
本格的なモデルは耐久性が高く、一生使えるものが多いため結果的にコスパが良いと思います。
3.何より愛着が湧く
質の高い万年筆はやはりデザインや素材が美しく、所有する喜びが感じられます。初めてでも大切に扱う気持ちも芽生え、万年筆を続けるモチベーションにもつながると思います。
万年筆は嗜好的要素が強いので、気に入ったデザインのものを選ぶといいと思います。
これらの理由から、私はできる限り気に入った本格的な万年筆をおすすめしたいです。
デザインは好みの分かれるところですので一旦気にしないとして、例えば、下記の3本は日本を代表する万年筆3大メーカーのスタンダードモデルで、お値段は幾分高価ですが、初めての方におすすめの本格的なモデルです。デザインは万年筆と言われて思い浮かぶスタイリングです。
メーカー名 | モデル名 | 説明 |
---|---|---|
パイロット | カスタム74 | スタンダードモデルで本格的な万年筆の1本。 |
プラチナ万年筆 | #3776センチュリー | プラチナ万年筆を代表する万年筆の一つ。普遍的な1本。 |
セーラー万年筆 | プロフィットスタンダード | 同社を代表するスタンダードなモデル。プロフェッショナルギアでもOK |


よくあるお悩み2:万年筆の使い方が分からない
初めての場合、インクの入れ方や手入れの仕方、持ち方や筆圧など、取り扱い方に不安を感じると思います。しかし、あまり気にしないで大丈夫。
インクの交換は万年筆のモデルにより入れ方が多彩ですが、一般的にはカートリッジ式なのでボールペンの芯を変えるようなものです。
お手入れは定期的に水で洗えばいいだけだし、待ち方も決まった持ち方はありません。
ただ、万年筆にもよりますが、その構造上、ペンを立てて書くより幾分寝かせた方が本来の書き味が楽しめます。
筆圧は必要ありません。逆に筆圧の強い方はリラックスして書けば大丈夫です。
細かいことを言えばいろいろありますが、最初のうちはこれでOKです。
よくあるお悩み3:書き心地や相性が合わないのではないか?
買ってみたけどなんか書きにくい、持ちにくい、思ったように書けない、という場合もありそうですよね。
答えは、そのとおり。あります。
ボールペンも人によっては書きにくいというか、書き心地が悪いというモデルがあると思いますが、万年筆も同様です。
ただ、万年筆はボールペンよりも高価な場合が多いため「失敗した!」では済まないですよね。
そこで、初めて万年筆を買うときは、ちゃんとしたお店で試し書きをして買うことをおすすめします。
インターネットで購入した方が安い場合が多々ありますが、
「資金にはゆとりがあるから失敗しても別に問題ないです」
という方以外は、最初こそお店に足を運んだがいいです。お店に方に相談できるのでおすすめです。
よくあるお悩み4:万年筆は高価だと思っている
これから万年筆を始めようとする方の中には「万年筆=高価な趣味」というイメージを持つ方もたくさんいらっしゃることでしょう。
答えは、確かにそのとおりです。
500円ほどで購入できるとってもお手頃なモデルもありますが、本質はやはり高価です。今でこそ高級(5000円とか1万円とか)なシャープペンシルもありますが、万年筆は全体的にもっと高価です。
とても嗜好性の強い筆記具なので、初めから自分で納得できるモデルを選ぶことが大切だと思います。
よくあるお悩み5:インクの選び方が分からない
色の種類が多くどれを選べばいいか迷ってしまうと言う方もいらっしゃることでしょう。初めての場合は、定番の黒やブルーブラックがおすすめです。
私は10数年万年筆を使ってきましたが、「黒」か「ブルーブラック」しか使っていません。万年筆だからといっていろいろなカラーを使わなければだめということはありません。
万年筆に慣れてきたら、いろいろなカラーのインクがあるので楽しみ方も増えていくと思います。私は最近水彩画のように万年筆で絵を描こうかなと考えています。
でも、入れ替えるのも面倒なので、いったい何本の万年筆が必要になるんだろう…。24色分? こういう時こそ、お手頃な万年筆がいいのかも知れないですね。

よくあるお悩み6:万年筆を続けられるか不安
万年筆を買ってもすぐ飽きてしまうのでは? 結局自分に合わなくて使わなくなるのでは?という不安がある方もいらっしゃることでしょう。
確かにあり得ることです。こればかりは解決策はないかも知れません。だって嫌いなものを好きになることはなかなか難しいですからね。
ただ、一度万年筆で文字を書けば、嫌になることはないのではないか、と個人的には思っています。だってとっても心地よい書き味ですから!

まとめ みんなで万年筆を楽しみましょう!

万年筆はビジネスシーンでは使う機会が少ないかも知れません(ボールペンでお書きください、と書類に書かれている場合や複写式の場合を除き、私は基本万年筆を使用しています。水性インクは水に溶けてしまいがちなので、公式文書の場合顔料インクを使用しています)が、例えば、手帳や日記、手紙を書くといったパーソナルな分野で使用するといいと思います。近年話題のモーニングページやジャーナリングなどにも最適です。
万年筆を10数年使用してきた私のかなり個人的な思いではありますが、ちょっとでも万年筆」を始める際の悩みの解消やヒントや参考になれば幸いです。
まだ不安がある方はぜひお問い合わせください。
私にお答えできることはお答えしていきますので、みんなで万年筆を楽しみましょう。
(高橋)