チープカシオって凄い！

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左手首の10数年の眠りを覚ます「チープカシオ」

10数年の間、腕時計を着けていませんでした。時刻を知りたい時はスマホを見れば十分と思っていたからです。

しかし、近年、「やっぱり腕時計って便利かも？」と、思うようになってきました。

理由はかなり単純で、これまでは一体どうしていたのか、いまとなっては不思議でなりませんが、打ち合わせ中にスマホで時刻を確認すると「話、早く終われって思ってる？」と邪推をさせてしまうかもしれないし、満員電車の中で時刻を見たくてスマホを取り出して落としでもしたらまさに最悪だし、突然、人に時刻を聞かれて「えーっと、スマホどこだっけ？」なんてモタモタするのも地味に気まずい感じもするから。

歳をとったのかもしれないけど、そんな思いをするくらいなら左手首につけた腕時計をサラッと見る方が、よっぽどスマートな大人に見えるのではないかと思ったわけです。

そこで、長きにわたる「腕時計離れ」に終止符を打ち、10数年ぶりに腕時計を購入しようといろいろ探していたら、チープカシオがその眠りを覚ましてくれたのです。

時計選びの迷宮もチープカシオが解決

いざ腕時計を買うとなったら、じつは意外と悩ましいことがありました。

そこそこの年齢なのであまりにカジュアルな時計だと「あれ？この人、大丈夫？」なんて思われるかもしれないし、かといって高級腕時計だと「おいおい、どんだけ羽振りいいんだよ！」とあらぬ誤解を招いてしまうかもしれない（そもそも高級付時計なんて買えませんが）…。

はて、どうしたものかとネットでサーフィンしていたら、「チープカシオ」という魅惑的なフレーズが飛び込んできました。

チープカシオ、その意外な素顔とは？

「チープカシオ」という言葉自体は知っていたものの、具体的にどのモデルを指すのかは曖昧でした。そこで、少し深掘りしてみると、カシオ計算機が販売する“手頃な価格帯の腕時計”の愛称であり、特に「カシオスタンダード」というラインナップに含まれるモデルが多いということがわかりました。

カシオといえば最近はG-SHOCKくらいしか知らなかったので、「カシオスタンダード」なるラインナップをさらに調べてみると、お店のショーケースに厳重に保管され、店員さんに「これ見せてください」と言わないと触れないような高嶺の花ではなく、簡易なケースに入ってフックにぶら下がっている親しみやすい商品群でした。

確かに、これまでも数千円程度の時計がぶら下がっているのを見かけたことがあり、見るからに「お求めやすい価格ですよ、どうぞお気軽に！」とお店側が語りかけてくる佇まいです。

正直なところ、高級腕時計には手が届かなくとも、「いくらなんでも、このぶら下がりの安物は、この年齢でどうなの？　そこまで落ちぶれたわけじゃないと思いたいし…」という、ささやかな抵抗感が生えました。

しかし、さらに詳しく調べてみると、長年の実績を誇るカシオ計算機の商品だけあって、その実力は侮れないことが判明しました。時計としての基本的な機能以外はとてもシンプルですが、堅実なクォーツ式であり、大手ならではの効率的な製造体制によってコストが抑えられているようです。

そして、何よりも驚いたのはそのデザイン性です。

「あれ？これ、結構イケてるんじゃない？」と思わず二度見してしまうようなモデルが多々あることに気がつきました。シンプルなデジタル時計も魅力的ですが、ある程度の年齢の方には納得していただけると思いますが、デジタルだと一瞬「えーと、結局いま何時だっけ？」とフリーズすることがあるので、やはりアナログがいいなと思っていたら、ちゃーんとアナログモデルも揃っています。

どうやら、「チープカシオ」は、安かろう悪かろうというただの「安物腕時計」ではなかったのです。価格からは想像できないほどの高いデザイン性と機能美を秘めた、まさに隠れた逸品だったのです。

実際、今回購入したモデルは時計と日付だけのシンプルな機能と大人なデザインを重視して選んだ「CASIO Collection STANDARD　MTP-1183E-7AJH（定価4400円）」。これを時計にあまり詳しくない人にそれとなく見せたところ、「1万円くらい!?」と…。この時計の持つ品質の良さの表れと言えるのではにでしょうか。