近年のITの広がりによって、学生はまだしも、大人は文字を書くことが減ってきたと感じています。
ただ、昨今の手帳ブームもあり、まだまだ手で文字を書くという機会は残されているようです。
個人的にはジャーナリングなどをしており、書くことを楽しんでいますが、どうせなら書くことの効能もあるといいなぁと思い、ここはAIを使い調べてみると、なかなか素敵なことがわかりました。
多様な手書きの効能
1. 記憶の定着率が高まる(学習効果)らしい
プリンストン大学やUCLAの共同研究などの調査によると、タイピングと手書きを比較した際、手書きの方が学習内容をより深く理解し、記憶に残ることが多くの研究で示されているようです。
<メカニズム>
情報の要約
タイピングは速度が速いため、聞いた言葉をそのまま記録(逐語記録)しがち。これは脳があまり働いていない状態です。一方、手書きは追いつかないため、脳内で一度情報を「取捨選択」し「要約」して自分の言葉に置き換えるプロセスが発生します。この処理が記憶を強化します。
触覚の刺激
指先の複雑な動きと、紙の感触という刺激が海馬(記憶の中枢)への信号となり、定着を助けます。
2. 脳の広範囲が活性化する
「キーボードを押す」という単純作業に比べ、「文字の形を思い出し、指先を細かく動かして線を引く」行為は、脳にとって非常に高度な運動です。
<メカニズム>
手書き中、脳は「文字の形状をイメージする(視覚)」「指を動かす(運動)」「言葉の意味を考える(言語)」を同時に処理しています。
特に、脳のブローカ野(言語処理に関わる部位)や前頭葉が、タイピング時よりも強く活性化されることがfMRI(磁気共鳴機能画像法)などの実験で確認されています。これは子供の脳の発達だけでなく、大人の脳の老化防止(認知機能維持)にも有効とされています。
3. ストレス軽減とメンタルヘルスの改善(ジャーナリング効果)
不安やストレスを感じている時、それを紙に書き出すことで精神が安定することは、心理療法(筆記開示法/エクスプレッシブ・ライティング)として確立されています。
<メカニズム>
客観視(外在化): 脳内でグルグル回っている悩みは、形のない「恐怖」です。これを文字にして「可視化」することで、脳はそれを「処理可能な情報」として認識し直し、客観的に捉えられるようになります。
テキサス大学のジェームズ・ペネベイカー博士の研究では、ネガティブな感情を書き出すことで、ストレスレベルが下がり、免疫機能が高まることが示唆されています。
4. 目標達成率が上がる
「目標を紙に書くと叶う」というのはスピリチュアルな話ではなく、脳の機能として説明がつきます。
<メカニズム>(RASの働き)
脳にはRAS(網様体賦活系)というフィルター機能があります。これは「自分にとって重要な情報だけを脳に取り込む」機能です。
「書く」という手間の掛かる行為をすることで、脳はその対象を「重要度が高い」と認識します。結果、日常生活の中で目標達成に必要な情報(チャンスやヒント)を無意識にキャッチしやすくなります。ドミニカン大学カリフォルニア校の研究でも、目標を書き出したグループは、そうでないグループよりも達成率が大幅に高いという結果が出ています。
5. 思考のスピード調整とアイデアの創出
デジタルは「速すぎる」ことが思考の妨げになる場合があります。
<メカニズム>
手書きの速度は、人間の「思考する速度」に近いと言われています。
直線的なタイピングと違い、手書きは矢印で繋いだり、囲ったり、図解したりと「非線形」な記述が可能です。これにより、論理的思考(左脳)と感覚的思考(右脳)を行き来しやすくなり、新しいアイデアが生まれやすくなります。
などなど、手書きをすることはどうやらさまざまなメリットがあるようです。
逆にいえば、IT化はこれらの恩恵を手放しているともいえそう。
これは勿体無いと思うので、私はITは利用しつつ、これからも適期的にというか毎日の習慣として手書きを楽しんでいきたいと思っているのです。