万年筆に興味が出てきたけど、いざ買うとなると、なんとなく踏ん切りがつかない、どの万年筆を買えばいいのか分からない、という方もいるのではないでしょうか。
様々な考え方があると思いますが、万年筆を使い続けて十数年、万年筆仲間を増やしたい私なりの考えをお伝えします。
万年筆購入でお悩み皆様のヒントになれば、非常に嬉しいです。

答えは「予算が許す範囲でできる限り本格的な好きなモデルを購入すること」
初めて万年筆を購入する際に生じるいくつかのお悩みごとを解決できればと思います。
万年筆に興味が出てきたばかりの方の中には「最初にどんな万年筆を買えばいいのかわからない」という方は多いことでしょう。
初めは買いやすい手頃な価格帯のモデルをおすすめしていることがありますが、私は「自身の予算が許す範囲でできる限り本格的な好きなモデルを購入すること」をおすすめします。
その理由を列挙します。
1.万年筆で書く楽しみを味わえるから
本格的な万年筆はペン先やバランスが優れており、初めての方でも「万年筆ならではの書き心地」を存分に楽しめる。
理由はこれに尽きますが、最初から良いものを使うことで万年筆の真の魅力をしっかりと感じられると思う。
2.長期間使用できるコストパフォーマンスがある
本格的なモデルは耐久性が高く、一生使えるものが多いため結果的にコスパが良い。
3.何より愛着が湧く
質の高い万年筆は素材にこだわりデザインも美しい。所有する喜びがある。初めてでも大切に扱う気持ちも芽生え、万年筆を続けるモチベーションにもつながる。
などの理由から、万年筆は嗜好的要素が強いので、初めてでも気に入ったデザインのものを選ぶといいと思っています。
また他にも万年筆に関する色々なお悩みがあると思いますが、下記に私なりの思いを書き連ねておきますのでよろしければご覧ください。


万年筆の使い方について
初めての場合、インクの入れ方や手入れの仕方、持ち方や筆圧など、取り扱い方に不安を感じると思います。しかし、あまり気にしないで大丈夫。
インクの交換は万年筆のモデルにより入れ方が多彩ですが、一般的にはカートリッジ式なのでボールペンの芯を変えるようなもの。
お手入れは定期的に水で洗えばいいだけだし、待ち方もそれほど厳密に決まりがあるわけではないのであまり気にしないでOKです。
ただ、万年筆にもよりますが、その構造上、ペンを立てて書くより幾分寝かせるのが本来の持ち方です。
筆圧は必要ありません。筆圧の強い方はリラックスして書けば大丈夫です。
細かいことを言えばいろいろあるが、最初のうちはこれでOKです。
書き心地や相性が合わなかったらどうしよう…
買ってみたけどなんか書きにくい、持ちにくい、思ったように書けない、という場合もありそう。
答えは、そのとおり、あります。
ボールペンも人によっては書きにくいというか、書き心地が好みではないというモデルがあるように、万年筆も同様です。
ただ、万年筆はボールペンよりも高価な場合が多いため「失敗した!」では済まないですよね。
そこで、初めて万年筆を買うときは、ちゃんとしたお店で試し書きをして買うことをおすすめします。
インターネットで購入した方が安い場合が多々ありますが、
「資金にゆとりがあるから失敗しても別に問題ない」
という方以外は、お店に方にも相談できるので最初こそお店に足を運んだがいいでしょう。
まだ買わないのに、試し書きするのは気が引けるという方は、文具屋さんの中には日本の三大万年筆メーカーのペンをほぼ全て揃えていて、試し書きができるお店のあるのでそんなお店を探してみてください。
万年筆は高すぎない?
これから万年筆を始めようとする方の中には「万年筆=高価な趣味」というイメージを持つ方もたくさんいらっしゃることでしょう。
答えは、確かにそのとおり。
500円ほどで購入できるお手頃なモデルもありますが、本質はやはり高価。今でこそ高級(5000円とか1万円とか)なシャープペンシルもありますが、万年筆は全体的にもっと高価です。
例えるなら高級腕時計のような感じかなと考えています。時間がわかればいい時計ですが、デザインやブランド、機能など、いろいろな付加価値があることで所有欲が満たされる。持つ喜びがあるという感じに似ていると思います。
書ければいいというのであればそれほどこだわらなくてもいいと思いますが、書き味、デザインなどにこだわって好きな1本を選ぶという行為も万年筆の楽しみだと思っています。好きな一本であれば、費用対効果もいいのではないかなと思います(笑)。
私はDELTA DVという十年筆を十数年の時を経て手に入れました。当時より値段は高くなっていましたが、全く後悔していません!
万年筆のインクの選び方
色の種類が多くどれを選べばいいか迷ってしまうと言う方もいらっしゃるはず。ただ初めての場合は、汎用性の高い黒やブルーブラックがおすすめ。私は十数年、万年筆を使っていますが、やっと最近ペリカン・エーデルシュタインのターコイズを買いましたが、基本的には「黒」か「ブルーブラック」しか使っていません。
万年筆に慣れてきたら、いろいろなカラーのインクを使う楽しみ方が増えていくと思ので、最初はあまりに気しないで定番カラーを使えばいいと思います。

万年筆を続けられるか不安
万年筆を買ってもすぐ飽きてしまうのでは? 結局自分に合わなくて使わなくなるのでは? という不安がある方もいらっしゃることでしょう。
これは確かにあり得ることです。こればかりは解決策はないかも知れません。だって嫌いなものを好きになることはなかなか難しいですから…。
ただ、一度万年筆で文字を書けば、嫌になることはないのではないかと個人的には思っています。だってとっても心地よい書き味だから。

まとめ みんなで万年筆を楽しみましょう!

万年筆はビジネスシーンでは使う機会が少ないかも知れない(ボールペンでお書きください、と書類に書かれている場合や複写式の場合を除き、私は基本万年筆を使用している。水性インクは水に溶けてしまいがちなので公式文書の場合、顔料インクを使用している)けれど、例えば、手帳や日記、手紙、モーニングページ、ジャーナリングなど、パーソナルな分野で使用するといいと思います。
万年筆を十数年使用してきた私のかなり個人的な思いですが、ちょっとでも万年筆を始める際の悩みの解消やヒントや参考になれば嬉しいです。
まだ不安がある方は何でも聞いてください。
私にお答えできることはお答えしていこうと思います。さぁみんなで万年筆を楽しみましょう!