「にらせんべい」は、お昼やおやつに食べていた祖母の味です。
「にらせんべい」という食べ物を知っていますか?
小麦粉を水で溶いた生地に、刻んだニラを混ぜて焼いた「粉もの料理」です。
長野県・北信地方出身の私にとってはとても馴染み深い食べ物ですが、調べてみたら「にらせんべい」はまさに北信地方の郷土料理だそうで。
長野県のその他の地域で食べられているのか否かまではわかりませんが、地元民あるあるで、どこにでもある食べものだと思っていました。
私の家では、祖母がよく作っていました。
お昼どきに焼いたり、近所のお茶の集まりに持っていくために焼いたり。
よく余りが戸棚の中に入っていて、小腹が減った時につまんでいた覚えがあります。
その祖母も数年前に亡くなり、めっきり「にらせんべい」を食べることもなくなりました。いつも祖母が粉と水を適当に混ぜて適当に作っているのを見ていたので、一応「にらせんべい」という名前はあるけれども、レシピだとか、作り方だとか、そういうものとは無縁の「適当料理」として位置付けていた「にらせんべい」。
でも作り手がいなくなると、当たり前ですが食べることがなくなるんですね。
そして食べられなくなると、今度は無性に食べたくなる。
特にここ数日は、なぜか「にらせんべい」が気になって仕方ありませんでした。
初めての「にらせんべい」作り。これから試行錯誤して自分の味を見つけます。
食べたいけれど作ってくれる人はいない、ならば自分で作るしかない!
というわけで、ニラを買って「にらせんべい」を作ることにしました。
祖母は切ったニラに粉を混ぜ、そこに水を足す方式で作っていたような気がするのですが、私は先に粉と水を混ぜてからニラを足す方式で作ってみることにしました。
まず味噌を水で溶き、そこに小麦粉と少しの片栗粉を加えて生地を作ります。
そこに刻んだニラを入れて混ぜ、フライパンで焼きます。
お好み焼きのように大きな丸型に焼いてから切り分けるのもいいですが、私は手のひらくらいのサイズ(まさにせんべい型)に焼いたものが好きなのでそのように焼きました。
これは最後に2枚焼いたところですが、フライパンの大きさにより3〜4枚は焼けます。
なかなかいい感じの焼け具合。
ほんのり味噌味は付いていますが、昔から砂糖じょうゆを付けて食べるのが好みです。
初めてにしては、なかなかおいしくできました。
ただ、祖母の味と比べるともちもち感があったので、片栗粉はいらないかなと。(後で実家の母にも確認したらやはり片栗粉は入れないそうです。これは家庭によって違うと思いますが)。
あと、今回は生地を味噌で味付けして砂糖など甘みは入れなかったのですが、少し入れてもいいかもと思いました。
「にらせんべい」は各家庭で味付けも違うし、付けるタレもさまざま。
これからたまに作って試行錯誤しながら、自分好みの「にらせんべい」を見つけていきたいと思います!
(fujicco)