万年筆

新たな万年筆を購入して思った「不正解を優雅に生きる」ことについて。セーラー万年筆の『プロフィット21 スターリングシルバー925』レビューも。

2026年1月13日

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2026年1月6日。セーラー万年筆の『プロフィット21 スターリングシルバー925』を購入した。

このたび、2026年1月6日。セーラー万年筆の『プロフィット21 スターリングシルバー925』を購入した。きっかけは、しばらく前から公式HPに掲載されていた【在庫が無くなり次第販売終了】という告知である。

以前、今後購入したい万年筆の一本としてセーラー万年筆の『夜風』を考えていると書いたが(詳細はこちら)、最近、気持ちが変わっていたのだ。その矢先に終売告知が出たため、もしかすると今後も同じようなモデルが登場するかもしれないが、未来はわからないので購入することにしたのだった。

果たして、購入した『プロフィット21 スターリングシルバー925』は、世界が認めた21金の大型ペン先による書き味はもちろん、シルバーボディの輝き、ずっしりとした重さ、そしてオーセンティックなデザインなど、すべて大満足できるものだった。
欠点は、見当たらない。

もともと購入しようとしていたエボナイトボディの『夜風』より高価な買い物となったが、後悔はない。購入して本当に良かったと思える一本だ。

『夜風』も諦めたわけではないが、『プロフィット21 スターリングシルバー925』にしたのには、もちろん理由があった。
それは、単純に『銀』という物質の文化的な価値や抗いがたい資産的な輝きに惹かれたからだ。

しかし、不思議なことに一旦文字を書き始めると、そんな欲望は頭を離れ、静かでゆったりとした時間が楽しくなる。これこそ『プロフィット21 スターリングシルバー925』の、いや万年筆の持つ価値なのかもしれない。


現代は、タイパや最適化が『正解』という顔をして歩いている。その一方で、SNSを鏡にしては、自分の好きを誰かと比較し勝手に諦めたり、届かない幸福を追い求めたりして行き詰まる。持てるものは増えたはずなのに、なぜか自分自身が見えにくくなっている、そんな不思議な時代だ。

万年筆はIT全盛の現代において、全く効率的でもなく、また合理的でもない。ペン先に刻まれた精緻な彫り模様やボディの素材、装飾、クリップの造形など、本来の「書く」という機能を超越した、無駄とも思えるほどのデザインに包まれているモデルが多々ある。
今回手にした万年筆もそうだ。
銀のボディでなければならない理由は、ない。
しかし、それでも銀にしたのだ。装飾するのだ。
文字を間違えても消すことはできず、インクがなくなれば書けなくなる。銀のボディは、時が経てば硫化によって黒ずんでいく。
でも、間違えたのなら斜線で訂正すればいい。インクが切れれば、時に手を汚しながら吸入する手間を愉しめばいい。銀が黒ずんだのなら、手入れをして再び輝きを取り戻せばいい。
何より、お気に入りの万年筆を走らせている時、心が静かで豊かになっているように感じる。

手間がかかり、とても非効率な万年筆だが、現代において大切な何かを思い出させてくれる、新しい発見を与えてくれる、今こそ手に取りたいアイテムのような気がしている。

現代社会の不正解を優雅に生きるのも、悪くはないと思う。

セーラー万年筆の『プロフィット21 スターリングシルバー925』レビュー

さて、次は実際に使用してみた感想をお届けする。

セーラーのプロフィット21シリーズは、世界で認められた21金ペン先を持つシリーズで、この万年筆はその名の通り全体がスターリングシルバーでできている。2023年6月に登場したばかりのモデルなのに、理由はわからないが早くも終売になってしまった。
全身がスターリングシルバーに包まれたモデルはパイロットにもプラチナにもあるので、セーラーの新たなスターリングシルバーモデルの登場に期待したいところだが、果たして…。

実際に使用してみた感想は、まず重い。
本体重量は49.2gあり、同じシルバーモデルであるプラチナ万年筆の銀無垢(42.7g)やパイロットのシルバーン(37g)と比べても重たいことがわかる。

ただ使い始めるとこの重さはあまり気にならなくなる。自重だけで文字が書けるため筆圧も必要ないので意外と楽という印象だ。
字幅は、本当はB(太字)が欲しかったのだが、購入した店にはF(細字)とMしかなかったのでM(中字)に。

字幅はM(中字)。5mm方眼に書いてもなんとなく収まる。普段は全く気にしないではみ出して書いている



当初は、スターリングシルバーモデルなのでサインする時など特別な時にのみ使用しようと考えていたのでBが希望だったが、我に返って考えてみるとサインなんてする機会はほぼないので、まぁMでよかったかな。

世界が認めた21金ペン先は、これはもう本当に素敵。少し紙面を擦っているサリサリという書き心地で、書いているという実感がある。これが好き。
ずっと書いていられる感じだ。

前述したが、欠点は個人的には本当にない。
強いて言えば、もう少し大きいとよかったなということくらい。
あとは、仕方がないのだけど指紋がかなりつくし、黒ずんでもくる(シルバークロスで磨けばピカピカになる)。そして、細かなすり傷もつく。
早くもついてしまった。
これは、デザイン的に彫りの模様などがないツルッとしたボディであることと、シルバーという素材上、もう仕方がない。シルバーならではの味わいであると考えているが、嫌な人には嫌かもしれない。

ちなみに、スペック・価格は下記の通り。

<スペック>
・ペン先:21金大型
・インク方式:カートリッジ・コンバーター 両様式
・本体:蓋・胴・大先・蓋栓・尾栓:スターリングシルバー925
・本体サイズ:φ19.3×142.1mm(クリップ部含む)
・重量:49.2g
・価格:極細・細字・中細・中字・太字 本体価格: ¥110,000(税込) 
ズーム・ミュージック 本体価格: ¥112,200(税込)

手軽な価格ではないけど、もし新品が欲しい方は在庫が無くなり次第終了ということなのでお早めにどうぞ。

お店にもよるのかもしれないけれど、『プロフィット21 スターリングシルバー925』は硫化しないよう真空パックになっていた。こういう体裁は初めて見た
自分の好みの意外な一面を見たような気がしているけど、素材が銀だからなのか、オーセンティックなデザインも好き
シルバーボディに金属部分のゴールドIP仕上げのコントラストが素敵! がっしりとした重めのボディに合わせて字幅は中字<M>
セーラー万年筆のこの21金ペン先は、米国の有力雑誌『PEN WORLD』の読者投票で14金ペン先と共に8年連続で高い評価を得ているという
『プロフィット21 スターリングシルバー925』は、基本的には自宅や仕事場で使用している。屋外には怖くて持っていけない…。セーラー万年筆『プロフィット21 』は今回私が購入した『スターリングシルバー925』以外にもシリーズがある

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