食べ物

郷愁の今川焼き。

私の一番好きなスイーツ、それは今川焼き。

今川焼きを最初に食べたのは、おそらく小学生の低学年の頃だったと思います。

祖父の家に遊び行った時、いつも厳しい顔をしている祖父が何となく優しい顔をして食べていたのが、今川焼きでした。それを貰ったのが最初の今川焼きで、その後も遊びに行くたびに祖父は近くにある行きつけのお店で今川焼きを買ってきてくれました。

 

祖父が買ってくる今川焼きは、小麦を水で溶いて焼いただけのような、皮が薄く硬い今川焼きでした。でもあんこがいっぱい詰まっていて、素朴な味ながら大変おいしかったのを覚えています。

祖父の今川焼きは冬の時期だけの楽しみでしたが、毎冬食べていた私はすっかり今川焼きが好きになっていました。

 

小学6年生になると私は父の仕事の都合で引っ越しをすることになり、その今川焼きは食べられなくなりました。

引っ越した先は海のある街で、借家は郊外の小山の中腹にポツンと一軒だけ立っていました。比較的大きな借家でL字になっていた借家の先端は台所になっていて遠くに海が見えました。

この頃、私は漫画が好きになり、毎月一回の漫画雑誌が発売される日になると街へ買いに行きました。その時、漫画と一緒に必ず買っていたのが、その街で見つけた私にとって2番目の今川焼きです。祖父の今川焼きとは違い、皮がしっとり柔らかい今川焼きでした。こういう今川焼きがあることをこの時初めて知りました。

漫画と今川焼きを買って家に戻ると、海の見える台所のテーブルで漫画を読みながら今川焼きを食べるのが楽しみでした。

 

以来、今川焼きは私の好物になりました。

それから数十年経ついまもなお、今川焼きは好きで私の好物です。旅先などでも今川焼きを見つけるとほぼ必ず買っては食べています。

旅先に限りませんが、今川焼きは赤あん(あずきあんのことですね)以外に、白あんやカスタードクリーム、うぐいす餡など、いろいろな案を見かけます。でも、今川焼きはやはり赤あんだと思いうのです。

そういえば、私の住んでいるエリアは一般的に今川焼きと呼ばれているので、ここでは今川焼きと言ってますが、種類豊富な餡だけでなく、御座候や大判焼きあじまんなど、その土地土地によって名称が異なっているのは興味深いです。

 

地元でよく買っている今川焼きは、姫路に本社を持つ御座候です。御座候はかなりおいしいです。大好きです。

 

御座候。このボックスには6個杯入ります。一個95円です

 

いつみてもおいしそう!

 

ほら、おいしそう! あんこたっぷり! あんこはもちろん、もちっとした柔らかい皮も絶妙においしい

 

大好きな今川焼きですが、近隣の街の名店のものを食べていないので、時間を作って今川焼きの食べ歩きをしてみたいと思っています。

一番気になっているのは、ちょっと遠いのですが、千葉県は銚子にある「さのや」さんです。
ネットで見ただけなのですが、昔ながらというのか、硬そうな生地にたっぷりあんこが詰まっていて、祖父の今川焼きにとても似ているのです。

大きさこそ違いますが(祖父の今川焼きはもう少し薄かった気がします)、あの懐かしい味に会えるかもしれないと思うと、どうしても食べてみたいのです。
(yocchan)

 

-食べ物